福岡市東区で2001年2月に高齢夫婦が殺害された事件は、未解決のまま21年がたった。この間、遺族は遺品などを通じ夫婦の家族への思いに触れてきた。「なぜ、両親が殺されなくてはならなかったのか」。そんな思いが消えることはない。
東署によると、01年2月26日、福岡市東区若宮5丁目の住宅で金丸金次郎さん(当時80)と妻の愛子さん(同73)が遺体で見つかった。金次郎さんはのどに切り傷があり、愛子さんは首と両足に電気コードが巻かれていた。死因は金次郎さんが窒息死、愛子さんは頸髄(けいずい)損傷。2人は17日夜に殺害された可能性が高く、現場の状況などから、県警は強盗殺人事件として捜査している。
千葉県に住む次女の藤堂早苗さん(66)は事件当日、署からの電話で金次郎さんが亡くなったことを知らされた。愛子さんのことを聞いても答えてくれなかったので、いたずら電話かとも思ったが、テレビのニュースが実家の映像とともに、事件のことを報じていた。頭が真っ白になった。
家族は両親と藤堂さん、弟の4人家族。父親は温和な性格で、怒られた記憶はない。社交的な母親は手先も器用で、セーターを手作りしてくれた。最後に会ったのは事件の数年前。旅行の途中、千葉の自宅に立ち寄ってくれた。2人の孫である藤堂さんの娘と2時間ほどを一緒に過ごし、金次郎さんが写真を撮って喜ぶ姿が記憶に残っている。
実家で見つかった60年前の手紙
事件の2、3年後、実家で荷…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル