福岡の夜には欠かせない名物の屋台が大ピンチだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、1月下旬から徐々に売り上げが減少。緊急事態宣言が発令された4月上旬から天神や中洲の約100店舗全てが休業中の状態だ。天神エリアの屋台を管轄する福岡市移動飲食業組合の副組合長で「博多っ子純情屋台喜柳」の迎敬之さんは「基本的にどこも無収入だ」と現状を説明。日雇いのアルバイトをしたり、友人の店で働いている者もいるという。
すでに1店舗が廃業を決めた。この状態を救おうと、有志が収束時の営業再開を目指してクラウドファンディングを立ち上げた。当初は10店舗ほどの予定で始まったが、現在では約40店舗が参加。最初の目標額だった500万円をクリアし、12日時点での支援総額は770万円を超えた。同組合の会長で「なんしようと屋」の西田芳信さんは「ありがたい。皆さまの屋台が好きだという気持ちを感じている」と支援に感謝している。支援金は29日まで受け付け、新たに1500万円を目標にしている。
福岡市の条例によりテークアウトの禁止など営業制限があることが、屋台が苦しんでいる原因だ。福岡市移動飲食業組合では、ランチ営業や通常の午後5時よりも営業時間を早くできるよう福岡市に求めたが、認められなかった。話し合いで福岡市からは4月上旬から5月上旬の1カ月分の家賃保証がなされることが決まったが、迎さんは「全然足りないのが正直なところ」と話す。
屋台を再開できた際の感染防止対策も進めている。迎さんは消毒液を購入し、スーパーやコンビニのレジなどで飛沫(ひまつ)感染防止に使われる透明なビニールシートも準備をする予定でお客さんを迎える。「人数も絞らないといけないと思う」と営業再開を見据えて話した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース