福岡県南部を中心とした豪雨被害から13日で1週間となり、被害状況が明らかになってきた。大牟田市では浸水家屋で2人が死亡、うきは、みやま両市で各1人が軽傷を負った。家屋被害は八女市で全壊1件、大牟田市や久留米市を中心に床上・床下浸水が約5千件に上った。そのほか農地や農業施設、旅館、工場、店舗など被害は広範囲におよび、全容はまだ把握できていない。 【動画】自衛隊に救助される児童たち 福岡県大牟田市 13日午後6時現在の県のまとめによると、八女市で土砂災害により家屋1棟が全壊。床上浸水は、市街地の大規模冠水が発生した大牟田市で1079件、久留米市335件など、10市町で計1459件判明した。床下浸水は16市町村で計3472件に上っている。
がけ崩れは23市町村で計222件発生。地滑りも5件確認された。道路被害は損壊394件、埋没74件。河川被害は溢水27件、施設・設備損壊144件、内水氾濫11件。橋の被害も5件あった。 事業所の被害報告も相次ぎ、温泉旅館や工場、店舗など16市町村で計268件が浸水などに見舞われた。病院・診療所の計28施設、高齢者施設9施設でも床上浸水した。農業関係では水田への土砂流入や果樹棚の倒壊、ハウスの冠水などで農作物に甚大な被害が出ており、調査を急ぐ。 世界文化遺産の三池炭鉱専用鉄道敷跡(大牟田市)で発生したのり面崩落は計15カ所で確認された。 県内では13日午後6時現在、帰宅困難で、避難の長期化が見込まれる大牟田市の66世帯130人はホテルなどのみなし避難所に滞在している。 (豊福幸子)
特別相談窓口を設置 福岡労働局
福岡労働局は13日、県南部などを襲った豪雨で被災した事業者や労働者向けの「豪雨被害特別相談窓口」を、労働局と県内全ての労働基準監督署、ハローワークに設置した。平日午前8時半~午後5時15分に受け付ける。 労務管理や労災補償給付といった労働基準関係は各労基署が担当。労働保険については労働局労働保険徴収課と各労基署、被災による失業手当や再就職は各ハローワーク、雇用調整助成金に関しては労働局の福岡助成金センターと各ハローワークが相談に応じ、同センターのほか一部のハローワークでは申請も受け付ける。 問い合わせは、労働局総合労働相談コーナー=092(411)4764(平日のみ)。同コーナーは各労基署にも設置されている。 総務省九州管区行政評価局も13日、県内豪雨被災者向けに行政機関の生活支援情報をまとめたガイドブックを同局ホームページに掲載。罹災(りさい)証明書の発行手続きや災害ごみの相談窓口、災害弔慰金の支給、外国人向けの情報相談窓口などを紹介している。同局=092(473)1100(平日のみ)。 (横田理美、郷達也)
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