加治隼人
福岡県は、暴力団事務所の開設を禁じる区域を拡大する暴力団排除条例改正案を、10日開会の県議会に提出する。半径200メートル以内での暴力団事務所の開設を禁止する施設の対象を増やすなどし、暴力団が市街地に事務所を置くことが事実上できなくなる。生活に身近な場所での暴力団の活動を封じ、県民生活への脅威を軽減する狙いがある。
現在の条例は、学校や図書館、公民館などの周囲200メートル以内で、暴力団事務所の新たな開設や運営を禁止している。
福岡県警によると、改正案では、こうした対象施設に認可外保育施設や予備校、都市公園なども加え、県内の対象施設数は約3600から約1万2300に増える。さらに都市計画法で「住居」と「商業」とされている地域も禁止対象に加えるという。施行は12月1日からの予定。
改正されれば、県内の市街地のほぼ全域が禁止区域となり、現在確認されている暴力団事務所の約9割が含まれることになる。
県警幹部は「事務所周辺では、これまで火炎瓶の投げ込みや発砲などの事件が起きてきた。危険から市民を守り、暴力団排除を一層強めていく」としている。
現在24ある指定暴力団のうち、福岡県内には、工藤会(北九州市)や道仁会(久留米市)など全国最多の5団体が拠点を置く。(加治隼人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル