東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故で、福島県では自治体が把握しているだけで約3万人もの子どもたちが避難した。それから13年がたち、大人になっても、心に傷を抱えたままの人たちは少なくない。
転校先なじめず 24歳の今も引きこもり
震災当時、小学5年生だった男性(24)は、県内の高校を3年生の途中で中退し、今も自宅に引きこもっている。住んでいた町は全域に避難指示が出され、家族で県内の体育館や仮設住宅で避難生活をした。転校先になじめず、地元に早く戻りたいと言い続け、次第に休みがちに。6年後に地元に戻ったが、日中も自室から出なくなったという。一緒に暮らす70代の祖母は「事故さえなければ……」と話す。
避難した当時の子どもたちの、その後の心の健康度がうかがえる数値がある。原発事故の避難区域にいた住民を対象に県が続けている健康調査によると、直近の2021年度、16歳以上で気分障害や不安障害のハイリスクな精神的問題を抱えている割合は、65歳以上が4・8%、40~64歳が7・0%だったのに対し、当時の思春期世代が含まれる16~39歳は8・8%だった。被災していない一般の人は3%とされる。
調査を担当する福島県立医科…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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