福島原発事故の除染土、新宿御苑で再利用へ 環境省が説明会、抗議も

武田遼

 東京電力福島第一原発の事故後の除染で出た除染土の再利用について、環境省が実証事業の候補地の一つとして検討する新宿御苑東京都新宿区内藤町)で21日、周辺住民向けの説明会が行われた。

 除染土は2045年までに、福島県外で最終処分することが法律で決まっている。現在は同県内の中間貯蔵施設で保管が続くが、同省は処分量を減らすため、埼玉、東京、茨城にある同省管理の3施設で実証事業を行う方針だ。

 新宿御苑内では公道から約30メートル離れた、一般の立ち入りが規制されているエリアで行う。縦3メートル、横10メートルの花壇を1メートルほど掘って集水シートを敷き、2トントラック5~6台分の除染土6立方メートルと、それを覆う土を50センチずつ入れる計画だ。集水シートの水は貯水槽に集められ、安全性を確認した後、下水道へ放流するという。

 非公開であった説明会の会場周辺では、約20人が「もっと広く説明会を」「持ち込み反対」と書かれたプラカードを手に抗議活動をした。中井美和子さん(48)はオンラインで集まった事業反対の署名を、同省職員へ手渡した。署名は1040筆が集まったといい、「新宿に持ってくる意味はあるのか」と話した。(武田遼)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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