原子力規制委員会は8日、東京電力福島第一原発の事故調査の一環で、炉心溶融した2号機の原子炉建屋の5階と4階を初めて立ち入り調査した。線量が特に高く、事故後は人が一度も入っていないエリア。放射性物質が拡散した経路の解明につなげるため、職員らは約20分間にわたり、4階の配管付近で線量を測ったり、放射性物質を含むとみられる床面の細かなちりなどを採ったりした。
炉心溶融した1~3号機の中でも、2号機は水素爆発せず天井や壁が残った分、より建屋内の汚染がひどいとされる。今回の調査ルートでは、最大で毎時約12ミリシーベルトを観測。5分ほどで一般の人の年間被曝(ひばく)線量限度(1ミリシーベルト)を超える高さだった。建屋に入った更田豊志委員長は「線量が高いと予想してはいたが、短時間で予定に近い被曝量に達した。今後の作業で人が入る困難さを実感した」と話した。(福地慶太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル