私の人生、どう着陸させようか 羽田で思う52歳の飛行履歴、終着点

 「飛行機の迫力、間近に体感 はとバス、羽田制限区域内のコース人気」

 今年7月、そんな見出しの記事が新聞に載っていた。

 神奈川県在住のマリー花摘(はなつみ)さん(52)は2カ月後、友人たちを誘ってそのツアーに参加した。

 ツアー名は「羽田空港ベストビュードライブ」。

 普段は立ち入れない制限区域内を、2階建てバスで約70分間走る。

 途中、滑走路付近で約10分間の停車があり、バスから降りて航空機を撮影できる。

 友人たちとは「大人の社会科見学」と称して、「首都圏外郭放水路」に行ったことがあった。

 埼玉県春日部市にある、水害の軽減を目的とした「地下神殿」と呼ばれている場所だ。

 それに続く企画として、わいわい楽しく羽田へと向かった。

 目の前で飛行機が飛び立っていく様子は、迫力があった。

 一緒に行った友人は「離陸を見る方が好きだからよかった」と喜んでいた。

 その言葉を聞きながら「自分は断然、着陸だな」と思った。

 それには、ちゃんとした理由がある。

 「着陸こそ、パイロットの技量が試される」と考えているからだ。

 人生も同じで、始めることよりも、終わらせることの方が難しい。

 新卒で入った会社を辞めた時や、結婚生活を終わらせた時。

 どちらも自分にとっては、勇気が必要な出来事だったから。

会社を辞めた時

 就職氷河期だった1994年、人気だったレコード会社に入社。

 営業を担当することになり…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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