自らの被災体験を赤裸々に語ること。それは自身を傷つける行為でもある。それでも女性は、今日も人前に立つ。語り部として。何が起きたのか、知っていてほしいから。あの日から、まもなく13年――。
《すみません。能登半島の地震をどうしても思い出してしまって……。ちょっときつくなるんです》
1月下旬、東日本大震災・原子力災害伝承館で開かれていた語り部講話で、高村美春さん(55)はそう言うと言葉に詰まった。
語り部は感情を出してはいけない。そんな考え方があるのは知っている。でも講話中には涙を流し、感情をあらわにする。「私がさらけ出さないと、相手もさらけ出せないから」
あるとき、講話の後で1人の女性がやって来た。
「私はあの時こうだったんで…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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