相次ぐ私立大の不祥事を受けた学校法人のガバナンス(統治)改革の議論が迷走している。文部科学省は今夏から有識者会議に議論を委ね、年内に私立学校法の改正案の大枠をまとめる方針だった。ところが、有識者会議と私学側の対立が激化。年明けに別の会議を設けて議論を続ける異例の事態になっている。
「私学関係者の不信感を招いたことは、率直に反省したい」。文科省幹部は、議論の越年を発表した21日、取材にこう答えた。
発端は、文科省が設置した「学校法人ガバナンス改革会議」が11月にまとめた報告書の骨子案だった。
現行制度では、学校法人の重要事項を決めるのは理事会で、理事長の諮問機関として評議員会という組織がある。
今の理事会は教職員ら学内関係者が多く、トップの理事長らが問題を起こしても監督しきれない――。改革会議はそんなスタンスで議論を重ね、重要事項を決める権限を理事会から評議員会に移す▽評議員会は学外者だけにする▽理事と評議員の兼任も認めない、との案を打ち出した。
これに反発したのが私学側だ。学校法人の運営を激変させる案だったため、「学外者だけの評議員会で教育・研究などの重要事項を責任をもって決められるのか」「評議員会の暴走を止められない」などと批判。自民党文教族への陳情を重ね、11月下旬の同党文部科学部会では私学側に同調する議員が相次いだ。
こじれた議論、背景には
対立の背景にあるのが、改革…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル