2023年度大学入試が終わった。私立大入試では、18歳人口の減少などに伴う競争の緩和や、都市部の有名大学とそれ以外の大学との二極化が、予備校関係者らから指摘される。理系人気、総合型や学校推薦型へのシフトといった特徴は、今回入試でもみえた。(上野創)
大手予備校の河合塾によると、私立大の志願者数は全体で前年比97%。18歳人口の減少と同程度だが、大学の定員は増えており、全体としては競争が緩和された「入りやすい状態」だったという。
ただ、首都圏や近畿の都市部の大学に志願が集中し、地方はかなり厳しかった。学力面も含めて「二極化」が指摘される。
河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は「首都圏の名の知れた私立大への志願は、一般選抜で前年比98~100%。18歳人口の減少分を考えれば堅調。地方から首都圏への移動を控える傾向が前回も少しあったが、今回の入試ではほぼ元に戻った」と話す。
一般選抜のうち、大学の個別学力試験を受ける「一般方式」の志願者が減った半面、大学入学共通テストを利用する方式は前年並みだった。前回は共通テストが例年より難しかった影響で、受験生が共通テスト利用方式を避けた結果、一般方式の志願者が増える結果となったが、今回は極端な難化などの波乱がなかったからという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル