榧場勇太
北海道東部の太平洋沿岸を中心とした地域で秋サケやウニなどが大量に死んでいる問題で、道は5日、道内の漁業関係団体と「北海道赤潮対策会議」を設置し、初会合を行った。1日までに秋サケ約1万2千匹が死んでいるのが見つかっており、赤潮との関係が疑われている。漁業関係者からは原因究明や救済を求める声があがった。
会議は非公開で行われた。終了後取材に応じた道の古村龍次・水産局長によると、道が赤潮の発生状況や漁業被害について報告し、漁業関係者などとの意見交換が行われた。
道によると、赤潮は9月20日に釧路市東部で最初に確認され、10月1日までに根室市から浦河町の沿岸で相次いで確認された。
漁業被害は、太平洋沿岸の7漁協で1日までに、定置網にかかった秋サケ1万1960匹が死んだのが確認されたほか、釧路総合振興局管内の漁協では、ウニの漁場で9割近くが死んでいるのも確認された。被害額は調査中という。
赤潮と漁業被害の関係は不明だが、古村水産局長は「道東海域での大規模な赤潮発生はこれまでに経験がなく、甚大な被害だ。被害がどの程度広がっているのか全容もつかめていない」と話した。道は今後、被害があった海域で週1回、海水のモニタリング調査を実施しながら原因究明を進める。
漁業関係者からは、今後の被害拡大の可能性から、被害が出た周辺の海域でもモニタリング調査を実施することや、漁業被害への救済措置を求める声が上がったという。古村水産局長は支援について「金融支援や共済制度のほかに、どういったことが考えられるのか、会議の中で検討を進めたい」と話した。(榧場勇太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル