秋田竿燈も青森ねぶたも中止 夏祭りの土産物の活路は

石平道典

 新型コロナウイルスの影響で、夏の風物詩の行事が相次いで中止されている。そんな中、東北各地の夏祭りで売られるはずだった工芸品や土産物を通信販売する特設サイトが、8月2日から1カ月限定でオープンする。自宅にいながら東北の夏を感じてほしいという思いが込められている。

 コロナ禍で、東北三大祭りとして知られる「秋田竿燈(かんとう)まつり」と「青森ねぶた祭」は、昨年に続いて中止に。「仙台七夕まつり」は8月6~8日に実施予定だが、宮城県外からの来場自粛を呼びかけている。

 「東北の工芸品や土産物は、イベントや観光によって客の手に渡るものがほとんど。夏祭りの中止で行き渡らなくなった品々を届けたい」。特設サイトを運営する、青森県八戸市の文具・事務機器販売会社「金入(かねいり)」の企画担当、岩井巽(たつみ)さん(28)は話す。

 同社は東北6県の伝統工芸品や地場食品の販売も手がけており、コロナで販路を失うなどした各県の品々を集めた通販サイト「#tohokuru/トホクル」(https://tohokuru.jp/)を昨年4月に立ち上げた。サイト名は「あなたのおうちに東北が来る」という意味を込めた。作り手が出品希望を出し、全国の客から予約を受けて商品を発送する仕組みで、延べ1500人以上が利用したという。

 今回、トホクル内に特設サイト「東北の祭り、東北の夏。2021」(https://j.mp/3h2Ak4G)をオープン。上ボシ武内製飴所(青森市)の玉ようかん、東北工芸製作所(仙台市)の風鈴、京屋染物店(岩手県一関市)の染め物など、100種類以上の商品を掲載する。9月1日まで開設し、商品は9月中旬ごろに発送する予定だ。

 岩井さんは「いまは東北に来られなくても、自宅で東北の夏を感じてもらえるよう全国に品々を届け、作り手の皆さんの励みにもなれば」と話している。(石平道典)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment