埼玉県に赴任して秩父地方を担当することが決まり、バーを経営する友人に報告すると、彼女は言った。「ハイランダーインに行くといいよ」。英スコットランドに本店があるパブの支店だという。
「なぜ秩父に支店が?」
「さあ。でもウイスキーはそろっているし、雰囲気がいい」
疑問を抱えたまま、店に向かった。秩父市の中心にある古民家風の店はすぐに分かった。早い時間にカウンターでハイボールをまず1杯。お代わりを頼むタイミングで話しかけると、マネジャーの岩崎光太郎さん(37)が、この場所に店が開かれた経緯を教えてくれた。
【撮影ワンポイント】ハイランダーイン秩父
カメラのホワイトバランスは見えた色と同じになるよう調整した。背景にボトルが並ぶカウンターの様子が、通りを歩いていても気になる店だ。店内にはお座敷も蔵もあり、風情が残っている。ちょっとのぞきたくなる、道行く人の気持ちになって撮影した。(小林正明)
岩崎さんは東京のバーなどで10年間働いた後、2019年1~2月、スコットランドのウイスキー蒸留所を巡った。立ち寄ったのが「マッカラン」「グレンリベット」などの蒸留所にほど近く、世界中のマニアに愛されるハイランダーイン本店。そこで日本人のオーナーに「秩父でこんな話があるんだけど」と、手伝いを持ちかけられた。日本に本場のパブ文化を取り入れた店を開きたいという。
パブはパブリック・ハウスの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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