大雪の影響により新潟県柏崎市の国道8号で起きた車の立ち往生は20日、解消に向かった。一方、見附、小千谷、長岡3市を通る国道でも多数の車が動けなくなり、県は自衛隊に災害派遣を要請。柏崎、長岡、小千谷、魚沼各市に災害救助法の適用を決めた。初の死者が2人確認され、各地で停電も続くなど、被害は広がっている。
長岡市新組町の国道8号では20日夕、無数のトラックが完全に止まった状態で列をつくっていた。少し先は高架の一本道。脇道にそれることもできない。
「これじゃあ仕事にならない」。通勤途中という燕市の会社員男性(37)は肩を落とす。午前中はもう少し流れがあったため、「ちょっとは動いていると思っていた」。普段から使っている通勤経路。「明日はどうなるのか心配です」
国道8号沿いにある長岡市のコンビニ。「この温かさがありがたい」
新潟市内から柏崎市内に荷物を運ぶ途中というトラック運転手の男性(42)は駐車場でカップ麺を買って食事をとっていた。19日の昼以降、口にしたのはチョコレート数個だけ。食事はほぼ24時間ぶりだという。
柏崎市内に向かうのはいったんあきらめ、国道8号が県道と合流したところで車列から離れた。「今は柏崎市内に向かう道が復旧しないか、情報収集しながら待っています。このままだと仕事にならないので、早く通れるようになってほしいんだけど……」
正午過ぎ、再び強く降り始めた雪にため息をついた。
除雪作業は見通し立たず
国土交通省は、この付近を含む国道8号と17号の約33キロについて20日午前6時から通行止めを実施。地元自治体などと解消に向けて除雪作業を進めながら詳しい状況を調べているが、見通しは立っていない。
柏崎市の国道8号では、19日午後3時40分から約22キロを通行止めにし、作業が進められてきた。
20日朝、柏崎市穂波町では、新潟市方面に向かう渋滞は解消された一方、富山方面への車線で動かない車列が延びていた。
タンクローリーを運転して千葉県から来た笹原辰次さん(58)は、「2時間で数メートルしか進まないというときもあった」とぼやく。
19日朝に柏崎市に入ったあたりから渋滞が始まり、迂回(うかい)しようとしたところ、深い雪にはまって動けなくなってしまった。その際、「近くの人たちがスコップを手に集まってくれた。おにぎりを持って来てくれた人もいたし、トイレを使って下さいと言ってくれた人もいた」と振り返り、「本当に新潟の人たちは優しいと思いました」と話した。
国道沿いにあるコンビニからは、おにぎりや弁当、パンが消えていた。歩道の除雪はほとんど進んでおらず、車がたまに通るだけの新潟市方面の車線を歩いて職場に向かう人たちの姿が見られた。
立ち往生の車列は午後2時現在、約80台となった。(友永翔大、戸松康雄、武田啓亮、宮坂知樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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