全国で空き家の増加が問題になっています。国の調査によると、賃貸用などをのぞいて人が長い間住んでいない家は349万戸。活用や処分が進まない理由は、税金や建築基準法の仕組みなど、複雑に絡み合っています。国や自治体も、改善に向けた様々な対策を始めています。
埼玉県久喜市の女性(56)がかつて両親と住んでいた家は4年前、空き家になった。
築50年ほど。状態が悪くリフォームも難しいと感じ、解体することを考え始めた。
ネックになったのが、固定資産税の仕組みだ。
現状の制度では、解体して更地にすると住宅のままの時に比べて、固定資産税が4倍ほどに上がる。女性の場合、空き家のままの場合、建物と土地を合わせた固定資産税は年間約2万8千円。一方で、解体して更地にすると年間9万円になる計算だった。
早めに処分したかったが、取り壊すと固定資産税が高くなるのが、「少しばかばかしく思えた」。
結果的に、空き家のまま置いておくことになった。
解体して更地にするよりも、空き家のままの方が税金が安くなる――。この制度が、空き家の解体が進まない要因になっている。住宅の敷地として利用されている土地の税負担を軽減する「住宅用地特例」は、住宅不足の解消にむけた新築奨励を目的に、1973年に始まった。
市が新たに税減額の制度、動き出すきっかけに
女性が処分に向けて動き出す…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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