16日深夜の地震で、東北新幹線の運休が続くなか、3連休初日を迎えた。首都圏などと行き来する人の流れが変わった宮城県内。仕事や観光、家族との再会など様々な場面に、地震の影響が広がっている。
19日、羽田との臨時便が発着している仙台空港(名取市、岩沼市)の保安検査場には行列ができていた。日本航空は26日まで、全日空は24日まで仙台―羽田間の臨時便を飛ばす。
千葉県の会社員小島慧史さん(37)は午前8時過ぎ、朝一番の便で羽田から到着した。妻が2月末に仙台市で第1子となる長女を出産したため、会いに来たという。予約していた新幹線が運休になり、慌てて飛行機を予約した。「妻の実家からは無理しなくていいよと言われたけれど、やっぱり会いたくて」。3月末に長女を連れて千葉に戻る予定だが、「飛行機の臨時便がいつまで出ているか」と心配していた。
保安検査場の列に並んでいた静岡県の会社員白井彩加さん(33)は出張で14日から仙台市を訪れ、この日羽田に帰るという。「本当は昨日静岡に戻る予定だったが、新幹線が止まったので1日延泊した。飛行機の予約が取れて安心した」
JR東日本は19日、仙台駅~那須塩原駅(栃木県)と仙台駅~盛岡駅で臨時快速の運行を始めた。21日まで続け、その後は新幹線の状況を見て判断する。
仙台駅では午前7時ごろ、那須塩原行きの最初の電車に約350人の乗客が乗り込んだ。那須塩原までの所要時間は約3時間で、東京行きの新幹線に乗り換えることができる。
仙台市若林区の会社員佐藤純二さん(27)は4月に就職する弟を祝うため、埼玉県の実家に帰省するところだった。高速バスは満席が相次ぎ、予約が取れなかったという。「(電車は)予約なしで乗れるのがありがたい」
JR仙台駅東口の高速バス乗り場。午前9時ごろ、時刻表には東京駅や新宿駅に向かうバスに「満席」の表示が並び、東京駅に向かう2台のバスを待つ人が行列を作っていた。
東京都の広告会社員佐藤さらさん(24)は県内へ出張中に地震に遭った。東京の同僚と協力して帰る方法を探し、バスに空きを見つけたという。「東京行きの直通便の予約をなかなか取れず、バスの乗り継ぎも考えていた。運が良かった」と話す。県内には友人も住んでいる。「昨日の夜も東北で大きな地震があり、ただただ心配です」
東北急行バス(東京都)の仙台営業所によると、仙台市内~東京都内の高速バスは、3月末まで平日含めて全便が満席だ。地震後に予約が殺到したという。
レンタカー店にも影響が出ている。仙台駅東口のレンタカー店の男性副店長は「県外からの観光客が主なお客様。今日は予約の約7割がキャンセルです」と明かす。一方で、東京方面に乗り捨てる車の予約が地震翌日に殺到し、営業所の車の約6割が店に戻っていない。来週以降の予約の車を確保するため、現在は県外への乗り捨ての予約は断らざるを得ないという。
駅前の別の店には、県外に向…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル