後藤遼太
災害で空港が停電しても管制塔などが使えるよう国が整備してきた運搬型の発電設備について、会計検査院が保管状況を調べたところ、全体の4割が地震で損傷する恐れがあることがわかった。検査院は18日、国土交通省と4空港事務所に対し、適切に保管するよう改善を求めた。
地震や津波などで停電しても、管制塔や航空灯火などの保安施設が停止しないよう国は予備電源を整備している。特に全国7カ所の拠点空港には、非常時に全国各地に運ぶことも想定し、運搬型の発電設備を配備。東日本大震災の時は、被災した仙台空港に全国から発電設備が運ばれ、電気を供給した。
検査院が、拠点空港の空港事務所などに配備された計98台の保管状況を調べたところ、4空港事務所が保管する39台(総額計約8億6千万円)は大地震で損傷するおそれがあった。内訳は東京空港事務所18台、大阪14台、新千歳4台、仙台3台。ボルトで床に固定せず床に置いただけの状態だったという。
検査院は「地震に十分耐えうる状態で保管されていない」と指摘。設置方法の改善やルールづくりを求めた。国交省は「内容をまだ把握していないので、コメントできない」とした。(後藤遼太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル