10年ほど前、山口県宇部市にある小学校で、市教育委員会の男性が気づいた。音楽室の片隅に1台のグランドピアノがある。
譜面台にいたずらの文字が彫られ、傷だらけ。象牙の鍵盤は黄ばみ、ひび割れていた。
「スタインウェイ・アンド・サンズ」。英字の刻印は世界最高峰とされるメーカーのものだ。
備品の記録にはない。その後、学校から「処分したい」と連絡があった。
「貴重なピアノがある。どうしたらいいけえ」
男性から相談を受けた音楽仲間の真部尚志さん(49)は響板の製造番号を調べた。
「212387」。1922…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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