この春、中学3年になった中国地方の男子生徒は、不登校を経験し、今は少しずつ学校に通えるようになった。
コロナ禍になった2年ほど前から腹痛を感じるようになった。
学校のことを考えると具合が悪くなり、一時は自宅にこもった。
それでも、週に1日だけ登校する、出席するのはホームルームだけ。そんな風に、ちょっとずつ学校で過ごす時間を増やしながら、徐々に学校に行けるようになってきた。
きっかけは、自分で見つけた目標と、亡くなった担任の先生の言葉かもしれない。
2020年12月、男子生徒はクリスマスを前に腹痛に襲われた。
母親は、感染性胃腸炎を疑ったが、受診しても一向に良くならない。
学校のことを考えると、おなかに痛みを感じた。
腹痛を訴える直前までは楽しそうに学校生活の様子を母親に報告していた。
どうして体調が悪くなるのか。母親に尋ねられても、「学校が嫌だから」としか答えられなかった。
朝、起き上がれない男子生徒の背中に母親は腕をまわして起き上がらせ、背負って階段を下りた。男子生徒は食欲がない中、食べられるものを口に運んだ。
男子生徒の急変 母親がかけた言葉
そのころから、朝晩問わず布団の中で泣き続けるようになった。
「自分はだめだ、死にたい。いなくなりたい」
顔を真っ赤にして訴え、イライラする思いを布団や枕を殴って解消しようとした。
21年2月。期末テストを受け終わると、どうやっても学校には行けなくなった。まるで燃え尽きたようだった。
男子生徒は泣き叫びながら母親に質問をぶつけた。
「お母さんは学校に行ってほ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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