初盆を迎えた故人を浄土へ送る長崎の伝統行事「精霊(しょうろう)流し」があった15日。精霊船に掲げられた久保郁子さん(享年57)の遺影は、満足そうに、優しくほほえんでいた。
昨年9月、一人娘の蒔田綾乃さん(26)=長崎市=の結婚式で撮った写真。綾乃さんは写真の隣に、母が好きだった花、カラーを添えた。
「母が乗っている感じがするから、船が行ってしまうのはすごく寂しい。でも、感謝をこめてしっかり送りたいと思います」
結婚後も月に1度は一緒に買い物に行く、「当たり前の存在」(綾乃さん)。中学の同級生で、夫の賢太さん(26)の服も、よく一緒に買った。「面倒くさくて」言い合いになることも多かった。「でも思い出すのは笑ってる顔ばかり。いつも私を第一に考えてくれてたなって」
右腕のかさぶたが急に
郁子さんは腎臓病を患い、人工透析を長年受けていた。透析のため、血液が固まりにくくなる薬を服用していた。
今年の春、少し前の手術でで…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル