約11時間に及んだ、埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり事件。近隣住民は避難所で不安な一夜を過ごし、小学校や幼稚園などが休園するなど影響が出た。
埼玉県ふじみ野市危機管理防災課によると、現場周辺の住民は事件後、警察官が誘導して現場近くの大井西中学校に避難した。最も多い時で99世帯214人が避難してきたという。夫婦で避難した70代女性は「なにがなんだかわからないが、警察と近所の人が一緒に家に来て、避難してと言われた」と困惑していた。
現場では銃声音が広く響いたという。近くに住む50代女性は「パーン」という乾いた音を聞いたという。なんの音か分からずにいたが、30分ほどすると警察官が自宅を訪れ、「立てこもりで銃をもった男がいるので逃げて下さい」と言われた。同じく銃声らしき音を聞いたという大学生(19)は、家族と「車がパンクしたのかな」と話していたという。いずれも最初は現場近くの同市立西原小に誘導されたが、しばらくして「現場から近すぎるので」と改めて大井西中に移動するよう告げられた。
避難所で、住民たちは音楽室や図書室など複数の部屋に分けられ、毛布やスリッパ、パンなど約200人分が届けられたという。
大井西中学校のほか西原小学校、三角小学校は28日に休校となり、近くの保育園と幼稚園の計2園も休園となった。休校した三角小学校は現場から2キロ近くにある。市教育委員から校長に27日夜、「立てこもり事件が起き、学校が避難場所になるかもしれないので準備して欲しい」と電話連絡が入った。保護者あてに休校の連絡を一斉メールで同夜中に送ったという。
28日朝の容疑者確保のニュースに、学校にいた教員のひとりは「被害者の方の安否が気がかりですが、まずはよかった。ふだんは静かで穏やかな場所なんです」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル