立憲民主党の枝野幸男代表は6日の野党党首会談で、国民民主党、社民党、野田佳彦前首相や岡田克也元副総理ら無所属議員に事実上の合流を呼びかけた。実現すれば社会党以来の社民党の歴史に終止符が打たれ、衆参合わせて180人規模の野党が誕生する。ただ、国民は立民主導の再編に慎重論が根強く、先行きは不透明だ。(内藤慎二)
「(国会の)会派をともにする皆さんには十分に理念、政策を共有していただいている。より強力に安倍晋三政権と対峙するため、幅広く立民とともに行動していただきたい」
枝野氏は党首会談でこう強調し、野党勢力の結集を訴えた。また、「桜を見る会」をめぐる疑惑に直面する安倍晋三首相が、年明けに「疑惑隠し」の衆院解散に打って出る可能性にも言及し、危機感をあおった。
平成30年分の政治資金収支報告書によると、枝野氏の個人献金は3002万円と、立民を結党した29年の6915万円から半減している。神通力に陰りが見られるなか、野党再編を主導することで存在感を高める狙いも透ける。
枝野氏の呼びかけに対し、社民党の又市征治党首は「提案を重く受け止め、持ち帰って党内で議論する」と答えた。新党構想が実現すれば、「55年体制」の一翼を担った前身の社会党の結党から数えて74年の歩みを終えることになる。
とはいえ、合流をめぐる各党の見解が一致しているわけではない。国民の玉木雄一郎代表は党首会談で、党名、政策、人事などに「対等な立場で公党間の協議を行っていく必要がある」と述べ、立民主導の野党再編に警戒感を示した。
国民内では、中堅や若手が早期合流を求める一方で、7月の参院選で立民とつばぜり合いを演じた参院側には慎重論が根強い。実際、国民の参院幹部は合流構想に「摩訶不思議だ」と違和感を隠さない。
構想が結実したとしても、旧民主党や旧民進党の顔ぶれが目立ち、新鮮味には欠ける。主要野党と距離を置く日本維新の会の松井一郎代表は6日、野党再編をめぐる国会の動きを冷ややかにこう突き放した。
「少しでも有利になろうと野合、談合し、選挙互助会を作っているだけだ。何度もくっついたり、分かれたりしているので別に驚きも何もない」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース