笑い戻った繁昌亭 121日ぶりに主催興行 生配信も

 上方落語の定席・天満天神繁昌(はんじょう)亭(大阪市)が1日、121日ぶりに主催興行を再開した。新型コロナウイルス対策で通常の半分以下となる102席のチケットは完売。有料生配信も始まり、新たな様式のもとで寄席の笑いがはじけた。

 「繁昌亭に落語とお客さんの笑い声が帰って参りました。ありがとうっ」

拡大する公演再開のあいさつをする上方落語協会の笑福亭仁智会長=2020年7月1日午後2時2分、大阪市北区の天満天神繁昌亭、細川卓撮影

 冒頭で挨拶(あいさつ)した上方落語協会の笑福亭仁智(じんち)会長は、手を振って喜びを爆発させた。配信視聴は約50件で、カメラにも目線を送っての舞台。公演は従来より30分ほど短くなったが、間男が焦る艶(つや)っぽい「紙入れ」や育児に目覚めた元ヤクザを描く「いくじぃ」など落語は色とりどりの5席が披露された。色物の女道楽では疫病退散の願いを込めてかっぽれを踊る趣向もあり、盛り上がった。

拡大する公演が再開した天満天神繁昌亭の客席では、1席おきに寄席ファンらの顔写真が飾られた=2020年7月1日午後1時56分、大阪市北区、細川卓撮影

 大阪府門真市の飲食店アルバイト辻岡浩一さん(61)は「久々で感無量です。目の前にいる演者さんの噺(はなし)が聴けるのはこの上ない喜び。繁昌亭がやっと生き返った」と笑顔だった。(篠塚健一)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment