新型コロナウイルスの感染拡大を受け、接客の機会が多い交通機関では、マスク着用の動きが広がる。
大阪、神戸などのエムケイでつくるMK西日本グループのタクシーでは、ほとんどの乗務員がマスクを着けている。助手席側の後部座席にはイラスト入りの説明文書が掲げられている。同グループが1月下旬、乗務員にマスク着用を認めたためだ。
サービスの基本はお客様に笑顔であいさつすること。マスクをしていては、お客が乗務員の表情や声を見聞きしづらくなる。そのため乗務員は原則、マスクが使えなかった。同グループ外商課の小澤蒼(あおい)・副所長は「(乗務員が)マスクをしていないとお客様に心配される。今はマスクをした方が安心につながるのではないか」
国際興業大阪(大阪市)と近鉄タクシー(同)は1月末、すべての乗務員にマスク着用を義務付けた。全大阪個人タクシー協同組合(同)は各事業者に対応を任せている。担当者は「一人ひとりが個人事業主で強制はできないが、マスクを着ける乗務員は増えている」という。
京都観光バス(京都市)は乗務員のほか、初めてバスガイドにもマスク着用を指導した。安久和昌・運行管理部係長は「お客様と従業員の安全・安心を一番に考えた緊急措置」という。
高速バス大手「WILLER(ウィラー)」(大阪市)では、すべての乗務員と受付係がこれまで任意だったマスクを着けることにした。両社ともバスの入り口に消毒液を置き、乗客にも協力を呼びかけている。(鈴木洋和、才本淳子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル