キャスターの辛坊治郎氏が5月7日(木)、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!~激論Rock&Go!」に出演、新型コロナウイルス感染症の世界各国の感染数データを解析するなかで見えてきたという、今後の課題について独自の視点で解説した。
楽観的シナリオはウイルス変異で軽症化していくこと
辛坊)新しく生まれたウイルスは一定期間が経つと変異していきますよね。特に今回の(新型コロナウイルスの遺伝子構造である)RNAは。DNAというのは二重螺旋で遺伝子をコピーしていくときにエラーが起きにくいのです。ダブルチェックのような形だから。我々(DNAである人類)はそんなに遺伝子が突然変異しないではないですか。ところが、今回の新型コロナウイルスはRNAという遺伝子が1本の鎖なのです。遺伝子の鎖が1本だと、ダブルチェック機能が働かないので変異しやすい。そのなかでも新型コロナウイルスというのはどうも、1本鎖のRNAウイルスなのだけれど、自己修復の機能をどうも持っているらしいという話。一般的なRNAウイルスよりも変異の速度は遅いという話なのだけれど、それでも我々と比べると遥かに変異の速度が早い。ウイルスの生存本能から言って、感染した個体がどんどん滅びると自分の感染力も下がっていくから、重篤化しやすいウイルスというのも、軽症化していくというのがいままでのウイルスの変異の仕方。いちばん楽観的なシナリオを描くなら、このRNAウイルスが重症化しない方向へ変異していくことだけれど、その保証はどこにもありません。
非ロックダウン・スウェーデンの感染率は、ロックダウンのイタリアと大差がない
辛坊)もう一方で我々が覚悟しなければいけないのは、いま全世界の北半球の温帯域で感染者が減っているのは、ロックダウンが成功した側面よりは季節性の方が強いと思います。この間からスウェーデンの感染者数とイタリア、スペインの感染者数を比べていたのですよ。スウェーデンは高校生や大学生のオンライン授業を進めていますが、それ以外は普通に社会生活を送っているのですよ。スウェーデンの死亡率は確かに高いですが、感染者数の(人口あたりの)推移を見ると3月からロックダウンして2ヵ月間まるまる社会封鎖しているイタリアと大して変わらないのです。となると、ロックダウンでこのウイルスは防げないというか、ロックダウンにどの程度の意味があるのか、ということを数字が語っていることがあります。
日本でも冬に第2波のおそれ~早めに経済を正常化させて備えるべき
辛坊)季節性が強いウイルスらしいということで、恐らく夏場に日本でも収束する可能性は高いと思います。それで完全に終息かというと、言っておかなければいけない問題は、むしろ冬場へきたときの再度の爆発的感染。例え夏場に収まっても冬場に大流行の可能性がある。逆に言うと、社会が正常化できるうちに正常化しておいた方がいいという気はしています。(緊急事態を)解除するなら早めに解除して、ある程度経済を正常化させてから第2波の襲来に備えた方が賢いと思います。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース