米大リーグの大谷翔平選手の故郷、岩手県奥州市のバス停にある小さな待合所が「昭和過ぎる」とSNSなどで話題になっている。古びたクリーム色の小屋の内壁いっぱいに、筆書きの店名や電話番号がびっしりと並ぶ。なぜ、こんな内装になったのだろう。探ってみた。
古い町並みが残る同市南部の旧街道沿い。白鳥神社の参道入り口にある岩手県交通の塔ケ崎バス停留所前に、その待合所はある。しゃれた屋根の形をした建物で、間口約3メートル、奥行き約2メートル。中に入ると板壁が、「ラヂオ店」や「醬油(しょうゆ)店」など、レトロな店名で埋め尽くされている。
筆書きの電話番号は、「69」「一一四」など2桁か3桁。敷設された電話の数が少なく、それでつながった時期の店だろう。60歳近い私でさえ、局番なしの4桁の電話番号の地区があった頃しか知らない。
両側の壁には、「前沢町商工案内図」と表示された鉄道の前沢駅前にある商店や銀行などの手書きの配置図が掲げられている。板壁の店名の一部を覆うように設置されているため、これらの店よりは新しく、現存する店もある。
いつ、建てられたのだろうか。天井付近に手がかりを見つけた。
「昭和30年4月設置」の文…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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