日本新薬(京都市)は、国立精神・神経医療研究センターと共同で開発している難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の新薬について、製造販売の承認を厚生労働省に申請した。国産初の「核酸医薬」をめざす薬として注目され、患者から期待の声があがる。薬は患者の遺伝子に働きかけ、症状の進行が早い病気を、進行がゆるやかな別の病気に変えるという。一体どんな薬なのか。
9月26日に国に申請された薬は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者の一部が対象だ。この病気は、遺伝子の変異によって筋肉の細胞を支える「ジストロフィン」というたんぱく質が作れなくなり、筋力が衰える。
遺伝子に働きかける核酸医薬と呼ばれる薬で、静脈に週1回注射すると、ジストロフィンを作れるようになる。この病気には歩ける期間が1年程度のびるステロイド剤をのぞき、有効な治療法はなかった。
12歳から入院「効く薬ある未来見たい」
患者の深澤伸一さん(41)は大阪刀根山医療センター(大阪府豊中市)に12歳の頃から入院している。病気の原因になる遺伝子の変異の位置は患者ごとに違い、新薬が効く患者は限られる。深澤さんの遺伝子変異の位置は、今回の薬の対象ではないが、「薬には期待の方が大きい」と話す。
深澤さんの体に異変が生じたのは5歳ぐらいの頃だった。走るのが遅く、こけやすかった。小学3年で車いすを利用し始めた。中学は刀根山医療センターの敷地内にある院内学級に通うことになり、それからずっと入院生活が続く。一つ下の弟も同じ病気で、同じ病院に入院している。中学生の頃は同じ病気の友人が何人もいたが、早く亡くなった人もいる。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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