筑波大の永田恭介学長は昨年、入試の一般選抜について、筆記試験から面接などに重点を置く方式に変えていく意向を表明した。背景には、留学生を増やす中で「入試を平等にしたい」との考えなどがあるという。(上野創)
――昨年6月の記者会見で「一般選抜の2次試験を面接と小論文中心に変えたい」と述べました。
まず、留学生を大幅に増やす中で、日本の受験生向け試験との違いをなくしたいと考えた。留学生比率が上がれば、教科試験の勉強をしてきた日本人受験生からは「留学生は小論文と面接で入れるのに、不公平だ」と文句が出る。全世界の受験生に対して「筑波大は公平」を前に出そうというのが根っこにある。
もう一つ、少子化が進む中、今の試験では落とされている才能を見いだしたい。例えば、論理的に考えるといっても人によってやり方は様々。同じ問題に違う方向からアプローチする人がほしい。「異能、異才」というか。これが入試を変えるもう一つの理由だ。
どんな入試を開発したらいいかは難しいが、何年もかけてやるしかない。
海外の有名大学の入試では、筆記の難度は大学入試センター試験ぐらいだが、長時間の面接と長い論文を課す。テーマは正解のない問いで、例えば「死刑はなぜ廃止しなくてはならないのか」など。日ごろから物事を論理的に考えていることが要求される。
――今の2次試験は不十分という認識か?
知識を問う問題と論述の問題…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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