その人は、全身黒い服にボブヘアと、モードな装いで現れた。かつてカラフルで個性的なファッションと元気なキャラクターで「シノラー」ブームを巻き起こした、篠原ともえ(41)だ。「小学生の頃、テレビで見ていました」と伝えると「知らなかったらどうしようかと。最近は、知らない世代の方とお仕事でご一緒することもあります」と笑う。
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現在はデザイナー、アーティストとして幅広く活動する篠原は、昨年末のNHK紅白歌合戦で演歌歌手・水森かおりの衣装を手がけた。スポットライトを浴びていた立場から、ほかの人が舞台に立つための衣装をデザインする側の人になっている。
初めて無観客で開催された紅白で目を引いたのが、「瀬戸内 小豆島」を歌った水森かおりの巨大衣装だった。水色や青のグラデーションが波打ち、裾の幅が約20メートルに広がったドレスで瀬戸内海を表現した。
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「歌の世界観伝える」
「巨大衣装を」、というリクエストだったが、それに加えて「歌の世界観を伝えるというところは、ぶれないつもりだった」と篠原は言う。悲しい恋を表現していると受け取れる歌詞だが、水森の歌い方に自立した女性像を感じ「力強いドレスにしたい。淡い色の中に、すごく濃い深い海の色を入れたい」と考えた。「私も以前、香川を旅したときに、美しい瀬戸内海を見ている。丁寧に紡ぎ出すように、思い出しました」。また、コロナ下で「ふるさとに帰れない人が多かったのでは。画面越しに、ふるさとの海や自然の美しさに気づいてもらえるような衣装にしたかった」とも言う。
ドレスに花びらを敷き詰めたよ…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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