国や大阪府・市の補助金をだまし取ったとする詐欺罪などに問われ公判中の学校法人「森友学園」前理事長、籠池(かごいけ)泰典(66)と妻、諄子(じゅんこ)(62)の両被告の被告人質問が28日と9月2日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれる。両被告は起訴内容の大半を否認。籠池被告は3月の初公判で「国有地問題などからの目くらましの国策捜査だ」などとする陳述書を約10分間にわたって読み上げており、被告人質問では何を語るのか。
■「2人の指示」
「(両被告に)『ぼったくって』と言われた」
5月31日の第3回公判。検察側の証人として出廷した校舎設計業者の社長は、国の補助金が詐取された経緯をこう証言した。
起訴状によると、両被告は同府豊中市での小学校建設をめぐり、国の補助金約5600万円を詐取したとされる。
別の日に出廷した設計業者の従業員らも「補助金を増やすため、水増しした虚偽の契約書を作成した」などと説明し、一連の流れは「2人の指示だった」と証言。「事業主の依頼を断ることは立場上難しい」とも述べ、詐取の背景には両被告の強い意向があったことをにじませた。
■長女も“批判”
両被告は、学園が運営する幼稚園などへの大阪府と大阪市の補助金計約1億2千万円をだまし取ったとする罪でも起訴されている。
この事件では、問題発覚後に園長を務めるようになった両被告の長女や、幼稚園の複数の保育士らが証人として出廷。被告となった両親のそばで長女は、「(両被告が)いけないことをしたという思いもある」と声をつまらせた。
その上で、両被告が園の運営に真剣に取り組んだり、わが子のように園児と接したりする姿を見てきたと振り返り、「2人に敬意を表しながら、私自身がまとめる園として新たにやっていく」と語った。
■「口封じ」主張か
こうした様子について、籠池被告が報道陣に対して「久しぶりに娘の顔を見て、ぐっときて涙が出た」と語ったこともあったが、公判廷で事件について述べるのは、被告人質問が初公判以来。
これまで12回にわたって開かれた公判で両被告にとって不利益な証言が続いた中、どのような反論をするのか注目される。
また、初公判で「国策捜査・逮捕し、人質司法として300日間も勾留したのは口封じ」「官邸からの意向と官邸への忖度(そんたく)で財務省が動き」などと述べた点について、どう主張を展開するかも関心が集まる。
学園をめぐる一連の問題発覚後から、数々の「爆弾発言」で渦中の人となった2人。改めてその発言に注目が集まりそうだ。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース