コロナ禍で営業再開したばかりの理髪店 シングルマザーの女性店員は聴覚障害のある息子の治療費に
新型コロナウイルスのパンデミックにあえぐ米国で、営業再開したばかりの理髪店を訪れた男性客が残した“寛大なチップ”が話題を集めている。コロラド州デンバーで、女性ヘアスタイリストが、新しい客から2500ドル(約26万円)のチップと、同僚へ向けた3300ドル(約35万円)を受け取った。新型コロナウイルスの危機の中で役に立ちたい――。そんな男性客の度量の大きい行動を米テレビ局ABCが伝えている。
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匿名を希望しているその男性客は、先週の土曜日の午後、フロイズ99理髪店を訪れた。その時、ヘアスタイリストのイリシア・ノヴォトニーさんは長い1日の終わりに店を閉める準備に取りかかるところであった。ノヴォトニーさんは「シフトが終わるまで15分残っていました。そこへ彼がやってきて、対応できるか聞かれました。今は多くの人がヘアカットを心底必要としていることは分かっていたので、対応することに問題ありませんでした」と振り返る。
32歳のノヴォトニーさんがカットを始めた時、その男性は新型コロナウイルスによる州の営業停止命令について、ノヴォトニーさんやほかのヘアスタイリストの状況を尋ねた。実はフロイズ99は3月18日にいったん営業停止し、コロラド州がソーシャルディスタンス規制を緩和し始めたことを受け、土曜日に営業を再開したばかりだった。
ここから男性客は驚くべき行動に出る。ノヴォトニーさんによると、男性客は髪を切り終わった時、「念のために言いますが、チップは間違いではありません」と言ったという。「レシートを見るまで、彼が言っていることが分かりませんでした」とノヴォトニーさん。レシートを見た時、目を疑った。27ドル(約2800円)のヘアカットに対し、90倍以上となる2500ドルのチップだったのだ。
「衝撃的でした。私にとって重要なタイミングでした。彼は大ごとにしたくなかったのですが、本当にありがたいです。いまだに信じられません」と、ノヴォトニーさんは語る。
その寛大な男性による“チップ”はこれで終わらない。出口に向かう途中、受付係に500ドル、マネージャーに1000ドルを手渡した。その後に引き返し、何人の従業員がいるのか尋ねた。そして、残り18人の従業員に100ドルずつとなる計1800ドルまでも手渡したのだ。
ノヴォトニーさんは「同僚全員にそのような寛大なチップを支払っていただき、本当に言葉になりませんでした。私たちにとって、これがどれほど大きなことかは言うまでもありません」と、驚きと感謝の思いでいっぱいの様子だ。
シングルマザーのノヴォトニーさん。男性客の心が詰まったそのチップを、家賃の支払いと聴覚障害のある息子の治療費に充てるつもりだという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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