米国立衛生研究所・峰宗太郎氏、コロナのワクチンは「1年以内に投与可能となるとは思えない」(スポーツ報知)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、明確な治療法がない中、世界中が待ちわびているのが、治療薬とワクチンの完成だ。国内では、治療薬として期待される「レムデシビル」が、早ければ週内にも承認され、使用可能となる。一方、ワクチンについて米国立衛生研究所(NIH)の峰宗太郎氏(病理専門医)は「少なくとも1年以内に投与可能となるとは思えない」とし、“有効性”と“安全性”の立証を慎重に進めるべきとの考えを示している。(竹内 竜也、奥津 友希乃)

 治療薬は一から薬を開発するのではなく、他のウイルス治療薬を「スイッチ」、つまり転用して、今回の新型コロナウイルスに効くものを探そうという探索が行われている状況です。

 いくつも候補薬がありますが、これらは既に臨床試験が実施されており、他の病気に承認されている薬であることから、新型コロナの増殖を抑えられるか、新型肺炎を治療できるか、ということを実証する「Phase(フェーズ)3」という段階から実施されているものが多くあります。

 よって、これらの試験結果が出て、有望なものが得られれば、比較的早く治療薬は利用できるようになるのではないかと思っています。結果は数か月単位までで出そろうと考えています。

 一方で、ワクチン開発は、時間がかかると考えられます。ワクチンというのは、体にウイルスの一部などを入れることで、主にそれに対する抗体を作らせる医薬品です。

 まずは抗体ができるかどうかの基本的な検討を行い、ワクチンとなる医薬品の部分を作り、その安全性を確認します。その上で、用量や用法を確定し、そして効果があるかどうかを見ていくという試験を行わなければなりません。

 既に、健常な成人に投与を行って安全性を確認する「PhaseI」という試験に入っているワクチン候補も複数ありますが、慎重に進めるべきであり、時間はかかるでしょう。少なくとも1年以内に一般人に投与可能となるとは思えません。

報知新聞社

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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