山下周平
166回芥川賞・直木賞の選考会が19日、東京都内で開かれ、直木賞は今村翔吾さん(37)の「塞王の楯」(集英社)と米澤穂信さん(43)の「黒牢城」(KADOKAWA)に決まった。
米澤穂信さんが生まれ育った岐阜県飛驒地方では、直木賞受賞に喜びの声が上がった。
米澤さんが作家デビュー当時にアルバイトをしていた高山市の「三洋堂書店高山店」には受賞を知らせるポップをあしらった特設棚を設けた。
当時、一緒に働いたパート店員の林崎尚子さん(49)は受賞を知り、涙が出たという。デビューするまで作家志望だとは知らされておらず、驚いたという。「バイトの合間にも執筆をしていた。よく行くファミレスが24時間営業にならないかなと漏らしていた」と当時を思い出す。
作品に登場する場面のやりとりが自身との雑談に似ているといい、「雑談ではなく、米澤君にとっては取材だったのかな」と林崎さんは笑う。
「なぞなぞを解くのも速くて、当時からミステリー作家の片鱗(へんりん)があった。かわいい後輩が大作家になって自慢です」(山下周平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル