横山蔵利、古庄暢、成沢解語
米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が飛行中に燃料タンク2個を県内に投棄した問題で、米軍は2日午後2時ごろ、同県深浦町の山中で2個目のタンクを発見した。防衛省が発表した。1個目が見つかった地点から南東に約900メートル付近だという。深浦町には午後5時5分ごろ、東北防衛局から連絡があった。人的、物的被害はないという。
政府は1日、飛行の安全が確認されるまでF16戦闘機の飛行を行わないよう米側に求めたが、防衛省によると、米軍は2日、同機の飛行訓練を再開した。政府関係者は「再開の連絡はなかった。申し入れは一体何だったのか」と話した。
同省によると、2個のタンクはいずれも円筒形で長さ4・5メートル、直径1メートル、重さ210キロ。
2個が投棄されたのは11月30日午後6時すぎ。戦闘機が日本海側から三沢基地をめざして飛行中、エンジントラブルで青森空港に緊急着陸した。米軍は、地上の安全を確認して岩木山付近の人が住んでいない地域に投棄したと説明していたが、1個目は周辺に民家が点在する深浦町役場の付近で発見。2個目の発見場所も同町内の山中だった。
一方、基地のティモシー・マーフィー副司令官が1日、三沢市の小桧山吉紀市長らに「エンジンの油圧低下の警告音が鳴ったため、機体を軽くするためにタンクを投棄した」などと説明していたことも判明した。説明によると、警告音が鳴ったのは訓練に向かう途中で、パイロットはこのままでは飛行が困難になると判断。米軍のマニュアルにそって地上の状態を確認し、タンクを投棄したという。
米軍は原因究明のため、第三者を入れた事故調査委員会を立ち上げる方針。防衛省の幹部の一人は2日、「どのように安全確認したのかも含め調査で明らかになってほしい」と話した。(横山蔵利、古庄暢、成沢解語)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル