沖縄の米海兵隊が、発がん性が疑われる有機フッ素化合物のPFOS(ピーフォス)を含む水を普天間飛行場(宜野湾市)から下水道へ放出した問題で、一夜明けた27日、日本政府や地元から次々と批判の声が上がった。岸信夫防衛相は中止を求め、抗議したことを明らかにした。一方、米軍は沖縄県の抗議を受け付けず、放出の正当性を主張した。
県によると、県は米側に抗議のための面会を要請したが「意見交換なら受ける」と伝えてきた。その後、謝花喜一郎副知事が米海兵隊の司令部があるキャンプ瑞慶覧(北中城村など)で米軍の担当者と面会した。
終了後、報道陣の取材に応じた謝花氏によると、米軍は処理水に含まれるPFOSなどの濃度について「日本の環境基準に適している」と安全性を強調。謝罪はなかった。放出理由については、基地内に長期間保管しておくことに不安があり米軍の判断で行った、という趣旨の説明をした。
放出予定だった約6万4千リットルの放出は26日中に終え、今後の対応については、日米両政府で話し合っていきたいとの考えを示したという。謝花氏は「見切り発車で放出した米軍の認識は、県民とのギャップを感じる。日本政府、沖縄県の信頼を著しく損なう行為だと強く申し入れた」と語った。
岸防衛相は27日の閣議後の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル