6月下旬、大阪府在住の志水恵美さん(38)は、4歳だった次女と郵便局に向かった。
イラストレーターの仕事のために友人から借りた本を返すべく、レターパックの封筒を購入しようと思ったからだ。
次女に目的を伝えると、「私がレターパックくださいって言うね」と提案された。
自宅でも食器洗いなどのお手伝いを積極的に買って出る年頃の次女。
「ありがとう」「上手だね」と褒められたいようなので、OKを出した。
◇
いつも利用している郵便局に到着すると、お客さんは誰もいなかった。
カウンターにいたのは、20代くらいの男性局員。
誰も並んでいなくてラッキーと思ったのか、初対面の局員に気をとられたのか。
理由はわからないが、約束をすっかり忘れて「レターパックください」と言ってしまった。
発した瞬間に「しまった」と思って次女の顔を見たが、時すでに遅し。
なんで約束を破ったのか、と言いたげな表情で「私が言いたかった」とつぶやいた。
「ご、ごめん、ママ間違えちゃった。もう1回言ってくれる?」
慌てて頼んだが、「もう無理……」と機嫌を損ねてしまった。
何度も謝ったが、復調の気配はない。
すると、様子を見ていた局員が娘に声をかけてくれた。
「あーーーっ、お兄さんさっ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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