18日午後1時ごろ、東海道新幹線の豊橋―名古屋駅間で停電が発生した。この影響で、東京―新大阪駅間の上下線で一時運転を見合わせた。午後5時に復旧し、安全確認ができたとして全線で運転を再開した。
JR東海によると、上り線については午後1時18分に送電して同22分に運転を再開した。しかし、愛知県安城市で下り線の設備に異常が見つかり、復旧作業が必要と判断。同41分に再び上下線で運転を見合わせたという。復旧作業は午後3時半から始まった。
浜松駅では、名古屋方面に向かっていた車両が駅構内中央の線路に停車した。乗客によると、午後2時40分ごろ、「復旧には2時間以上かかる」という趣旨のアナウンスが流れると乗客から悲鳴があがったという。名古屋で開かれる男性アイドルグループのライブに参加予定だという女性は「開演時間には間に合わない。こうなっては少しでも見られたらそれでいい、という気持ち」と語った。
午後3時半ごろには、ホームに接した車両に仮設の橋をわたして、乗客が飲み物などを購入できるよう一時下車の措置がとられた。
乗客の男性は「外の空気を吸えるだけでありがたいが、復旧のめどがたたずやきもきする」と話していた。
東京から米原に向かっていた男性は、名古屋の手前にあるトンネル内で停車。空調が止まり、寒く、せきをする人が多かったという。子どもの泣き声も絶えなかった。簡易トイレができたが、長い列で断念した。「トンネルの中だったこともあり、不安だった」
下り線が最大約4時間運転見合わせとなった東京駅の改札付近は、スーツケースや土産物を抱えた人たちでごったがえした。切符の変更や払い戻しに長蛇の列ができ、床や階段に座り込む姿も。駅員らが乗客らに運行状況の説明に追われた。
孫のピアノの発表会を見た帰りという岐阜県可児市のパート従業員女性（64）は、駅に来て新幹線の運休を知った。列に3時間以上並んだが、「もし乗れてもぎゅうぎゅうだと思うし、今日中に帰れるだろうか……。本当に参りました」と困惑した様子。「都内の次女の家に1泊するか迷っている」と話した。
奈良県天理市から来た団体職員の男性（54）も午後3時ごろ駅に来ると、あまりの混雑具合に「何が起きたんやろう」と驚いた。
男性は「停電でこれだけ止まるのは珍しいのでは」としつつ、「停電のとき新幹線に乗っていた乗客もいると聞いた。その人たちに比べれば、まだよい方かもしれない」と話した。
改札近くで新幹線ホームに向かう列に並んでいた製本会社役員の男性（79）は大阪市内の自宅に帰る予定だったといい、「ホームまでたどり着くのはいつになるのか……」と不安げに語った。「明日は仕事で妻も心配している。車内では立ちっぱなしでも構わないので何としても帰りたい」
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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