車両の約8割が一時停止しない
交通事故のリスクは至るところにあるが、注意すべき場所の一つが、信号機のない横断歩道。 【画像】あなたの地元は?都道府県別の一時停止率を見る 道路交通法では、横断歩道の直前は車両は停止できる速度で進行すること、歩行者などの通行を優先することなどが明記されている。だが実際は、歩行者が渡ろうとしたとき、スピードを落とさずに車両が通過する場面にも遭遇する。 そしてまだまだ、こうした危険性に気を付ける必要がありそうだ。 日本自動車連盟(JAF)が10月16日に発表した、「信号機のない横断歩道における歩行者優先の実態調査」(2020年)の調査結果によると、信号機がない横断歩道では、歩行者が渡ろうとしている場面でも、車両の約8割が一時停止しないことが分かったという。 この調査は横断歩行者の事故や死傷者の減少につなげようと、2016年から行われている。調査場所や対象などは以下のようになっている。 【調査場所】
・各都道府県2箇所ずつ(全国合計94箇所)の信号機が設置されていない横断歩道
・センターラインのある片側1車線道路で、原則として、調査場所の前後5m以内に十字路および丁字路交差点がない箇所で、道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が時速40~60km程度の箇所 ※詳細の調査場所は非公表 【調査対象】
・上記の横断歩道を通過する車両 ※横断歩行者側の車線を走行する自家用自動車、自家用トラック(白ナンバー) 【調査方法】
・横断歩行者はJAF職員(横断歩道の立ち位置や横断しようとするタイミングを統一)
・調査回数は1箇所50回の横断(合計100回の横断)
都道府県別で停止率に大きな差
2020年の調査は8月12~26日の平日、10~16時の間に実施。全国で合計9434台の車両の対応を調査したところ、一時停止したのは21.3%(2014台)にとどまったという。 一時停止率の全国平均は2016年が7.6%、2017年が8.5%、2018年が8.6%、2019年は17.1%であることから、数年前よりは上昇傾向にあるが、それでも約8割は止まらなかった。 そして、結果を都道府県別に見ると、意外にも大きな差が出ている。一時停止率がもっとも高かったのは、長野県の72.4%。2位の兵庫県の57.1%と比べても、圧倒的な差があった。JAFによると、長野県は5年連続で1位をキープしているという。 一方で残念ながら、最下位となってしまったのが、宮城県の5.7%。単純計算すると、約20台に1台しか止まらないことになってしまう。自治体はこの結果を、どう受け止めているのだろう。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース