記録的な大雨をもたらした台風19号は、行楽シーズンさなかの観光地にも大きな影響を与えた。温泉地の旅館では、宿泊客の8割がキャンセルする事態に見舞われた。客足の遠のいた景勝地の関係者は、寸断された交通網の回復に期待をかける。
日本三名瀑(めいばく)のひとつに数えられる茨城県大子町の袋田の滝。11月の紅葉シーズンを中心に年間約60万人が訪れるが、町を南北に通るJR水郡線の鉄橋が久慈川の増水で流失。滝に向かう動線が失われたことで、周辺駅は閑散としている。列車の来ない駅の前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性は「寂しい秋になる」とぼやいた。
滝の入り口に10軒ほど連なる土産物店街は、滝川の溢水(いっすい)で5軒ほどが浸水した。小室幸嗣さん(50)が営む店は被災は免れたが、「マイカーと比べて、鉄道やタクシーで来るお客さんは時間にゆとりがあるので、食事をしてもらえることが多い。影響は大きいと思う」と嘆く。
栃木・奥日光の戦場ケ原(日光市)では湯川の氾濫(はんらん)で木道が流され、13日から一部区間で立ち入りできない状況が続いている。200台が止められる赤沼自然情報センター前の駐車場も土砂が流入し、13日から使用不能になっていたが、18日に復旧した。
ラムサール条約の登録湿地の戦場ケ原はミズナラやブナ、草原の紅葉が広がり、観光客の人気も高い。日光市観光協会の福田栄仁事務局長は「台風直撃後から全国からの問い合わせが殺到している。これから紅葉のシーズンなのに一部が通行止めのところがあって残念」と話す。華厳の滝や日光東照宮には被害は出ていないという。
山梨県では首都圏とつながるJ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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