紗倉まなさんが考える多様性とは 拒絶するのではなく、受け止めて

 「多様性」という言葉をよく聞きます。性別、性のあり方、人種、国籍、障害の有無、信条、職業など、世の中は様々な人々で成り立っています。多様性を尊重し、誰もがその人らしく生きる社会にしようと、条例をつくる県や都市も増えてきました。多様性の尊重とは、どういうことなのでしょうか。AV女優で小説家の紗倉まなさん(30)に考えを聞きました。

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 千葉県でこの1月、「多様性の尊重」を掲げる条例が施行されました。自分が生まれ育ったところで、多様性について話し合われ、条例ができたことをうれしく思いますし、この流れを進めることに賛成です。情報発信によって多様性尊重の考え方を初めて知る方もいるでしょう。人々の意識の変化も生まれるのではないでしょうか。東京都渋谷区に住んでいる人が、全国に先駆けて区が設けた(同性カップルを婚姻に準じた関係と公的に認める)パートナーシップ制度を誇りにしていると聞いたことがありますが、自分の住んでいる地域が寛容に開いていくことに喜びを感じる気持ちは私にもよくわかります。

多様性尊重する条例が、当事者の心のお守りに

 私は小・中学生時代は千葉県市川市に住み、私立の女子校に通いました。その後、県内の工業高等専門学校に進学しました。今でいうLGBTQ性的少数者)の子が友達にいて、当時は隠すのが当たり前という雰囲気でした。私はそのことを知ってはいたけれど、どうしてか、うかつに触れてはいけないことだと思っていました。

 生まれた時の性と自分がそうだと感じる性(性自認)が異なる人は、それを開示する必要もないですし、開示するよう周囲が圧をかけるのもおかしい。中には、本当は言いたいのに、理解してもらえず嫌な思いをするからと、言えない人もいるかもしれない。条例はそんな当事者にとって、心のお守りのようなものになってほしいと願っています。

 トイレやお風呂など肌を露出…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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