10月5日、都内在住の「はぐれ」さんは自宅の最寄り駅へと急いでいた。
新宿で予定されていた用事に間に合わせるためには、次の電車を逃すわけにはいかない。
なんとか乗り込んで、予定通り新宿駅に到着。
「ルミネエスト新宿」で用事を済ませて自宅に戻った時、首元に手を当てて気づいた。
「けやきのペンダントがない!」
けやきは、10年近く連れ添った雑種の元保護犬。
3年前、悪性の腫瘍(しゅよう)でこの世を去った。
ペンダントは、けやきが元気だったころに友人が手作りしてくれたものだ。
卵形のペンダントトップには、可愛らしい写真が収められている。
けやきがいなくなってから、外出時には必ず身につけていた宝物。
それだけに、再び愛犬を失ったような気持ちだった。
ルミネエスト新宿で訪れた店や、インフォメーションセンターに電話したが、届いていない。
鉄道会社や警察にも問い合わせたが、答えは同じだった。
留め金に緩みがないかを確認するために、この日も身につけた後で引っ張ってみたのに。
よりによって多くの人が行き交う新宿で落としてしまうなんて。
もっと早くに気づいていれば、探して見つけることができたかもしれないのに。
なんて私はバカなんだ、このバカ、バカ、バカ……。
そんなことを思っていたら…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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