1970年代に電子音楽を広く世に知らしめ、世界に衝撃を与えたクラフトワークの創設者・フローリアン・シュナイダーさんが4月に73歳で死去した。「クラフトワークがいなかったらYMOの音楽は異なるものになっていた」。細野晴臣さんはそうメッセージを寄せた。細野さんへの書面インタビューの全文は以下の通り。(定塚遼)
拡大する細野晴臣さん=ビクターエンタテインメント提供
横尾忠則さんに提案されて
――クラフトワークとの出会いとその音楽に初めて触れたときの感想について教えて下さい
1970年代末に横尾忠則さんとインドへ旅することになりましたが、その時にインド紀行をテーマにしたアルバム制作の企画があり、帰国後にとりかかりました。暗中模索の制作の過程で、プロデューサーである横尾さんの提案の中にクラフトワークが出てきたのです。確か「アウトバーン」のアルバムをお借りしました。その当時コンピューター・ミュージックは台頭期で、自分としては冨田勲さんの「月の光」というアルバムに衝撃を受けていたので、コンピューターで音楽を作ることに興味があった時期でした。そんな時に聴いたクラフトワークはポップ・ミュージックの新しい可能性を提示していました。
ジャーマンテクノで異彩を放つ「陽気さ」
――クラフトワークの音楽の特徴や、革新的だった部分や好きなところは
後にジャーマン・テクノと言わ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル