大幅に規模が縮小された全国戦没者追悼式。参列した人からは様々な思いが聞かれた。
例年、約800人の遺族が全国戦没者追悼式に参列する東京都。半分は一般公募、半分は遺族会からの参列としていたが、今年は一般公募はせず、各遺族会から代表が選ばれ、20人が参加した。
参列した八王子市の富田喜代志さん(79)は、父を沖縄戦で失った。今年は75回忌をしようと考えていたが、新型コロナの影響で諦めた。だからこそ「規模は縮小しても、節目の年に追悼式を開催してくれることがありがたい」。30回以上参列しているが、いつもより特別な気持ちという。「遺族も高齢化して、『今年が最後』という人もいたはず。みんなの思いを背負っている」
足立区の新里登美枝さん(82)は、硫黄島で戦死した父親の写真を持参した。遺骨はなく、納骨時の箱に入れられていたのは、名前が書かれた紙きれ一枚。8月は毎年、幼いころを過ごした長野県で墓参りをして盆を迎えてきた。だが今年はコロナの影響で控えた。追悼式は初めての出席。「私みたいな親を失う子が増えないよう、戦争をせずにみんなが幸せに生きてほしい」と願った。
式典の規模が縮小されたことで感じるものを口にした人もいた。
埼玉県入間市の田中眞蔵さん(…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル