終戦直前に響いた「白線流し」の歌 隠された反戦への願いとは

 岐阜県立斐太(ひだ)高校(高山市)で卒業式後にある伝統行事「白線流し」で歌い継がれている歌がある。歌詞には、ともに学んだ仲間との別れを惜しむ気持ちがあふれるが、その背景には第2次世界大戦のさなか、勉学をあきらめ、死を覚悟しながら出征していった学友への思いも隠されている。

 白線流しは男子生徒の学帽の白線と、女子生徒の制服のスカーフを結び、高校前の川に流す行事。約80年前に始まったとされ、テレビドラマの題材にもなった。卒業生は川岸で悲しげなメロディーが特徴の「巴城ケ丘(はじょうがおか)別離の歌」を歌うのが習わしだ。

 作詞作曲は、同校OBで昨年1月に93歳で亡くなった河内(こうち)敏明さん。戦中に斐太高(当時は旧制斐太中)に学んだ。

 残された手記によると、予科…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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