きっかけは、長女の成人式だった。
「かわいい。誰かの幸せを願って作られたものって感じがする」
赤い花々を模したかんざしが髪にやさしく添えらているのを見て、福岡県筑紫野市の水落みつるさん(55)は思った。
それが「つまみ細工」との出会いだった。
つまみ細工は、小さな布を折ったり、つまんだり、複数組み合わせ四季折々の花鳥風月を形作る工芸品。江戸時代から伝わるものだ。
その出会いは、次女が成人式を迎えたときに別の形に発展する。「自分で作れないかな」
手芸が趣味だった父の影響で「作れる」と思えば娘の通園バッグでも手作りしてきた。
解説本を読みながら、見よう見まね、数日かけて作った一品は梅の花を模した髪飾り。だが、次女は色が気に入らず式に着けていかなかった。
救いの手を差しのべたのがイ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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