東京都八王子市の私立認定こども園で昨年9月、男児(当時4)が給食のブドウ(直径約3センチ)をのどに詰まらせて死亡した事故で、市は30日、有識者による事故検証報告書を公表した。国のガイドラインが現場で周知されず、給食も外部業者任せだったなどと指摘した。
報告書はA4判で13ページ。事故があった園や給食の委託業者へのヒアリングなどを基にまとめた。
それによると、園には国の食品事故防止のガイドラインなどが市から通知されていたが、職員や給食の委託業者、栄養士に内容を周知していなかった。市は通知することで周知されたと考え、研修などをしていなかった。ガイドラインには、吸い込みによる危険がある食品の事例としてブドウやプチトマトなどが挙げられていた。市作成の危機管理マニュアルは公設公営施設向けで、認定こども園や幼稚園、民間保育所などには共有されていなかった。
また、園は献立作りや食育の啓発などを外部業者に任せて給食会議や検食をせず、業者に依存していたと指摘した。
市は今後、200以上ある市内全ての保育施設などに新たなマニュアルを配り、研修を実施。毎年9月を「事故防止月間」とし、啓発にも取り組むという。(前川浩之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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