絶景見える確率お知らせします 市職員が世界初?の「夜景予報士」に

 美しさとチョウが羽を広げたような形から、「光のアゲハチョウ」と呼ばれる青森県むつ市の夜景。その素晴らしさを多くの人に知ってもらおうと、「夜景予報士」に任命された市職員が、見られる「確率」を予測して、ユーモアを交えながらツイッターで毎日発信を始めた。

 本州北端・下北半島の最高峰、釜臥山の展望台(標高785メートル)からはむつ市や陸奥湾が望め、夜の市街地は光の宝石をちりばめたよう。「東北随一の夜景」と市は胸を張るが、全国的な知名度はいまひとつ。広くPRするとともに、展望台まで登る人をがっかりさせたくないと思いついた。

 「おそらく世界初」という夜景予報士に就いたのは、観光戦略課主任の美濃英武さん(34)。気象に関しては素人だ。だが、池田雅文課長が「身長は180センチもあるのだから、空に近くて観察しやすいだろう」と任命した。

 美濃さんは気象情報をネットで確認し、釜臥山展望台のライブカメラの映像や目視で雲の様子をじっくり観察して、予測する。

「雲さーん、お願いだから…」

 だいたいの確率をつかんでからがユーモアの本領発揮だ。

 「むつ市夜景情報」のアカウント名でツイッターを始めた9月1日は、むつにちなんで「62%」だった。中秋の名月の10日は「66%」と予測。「希望は99%なのですが、気持ちとは裏腹な雲行きになるかも…ということで66%です。雲さーん、お願いだから邪魔しないでー」と発信した。

 16日は「26%」。「3連休前の金曜日はゆっくりお風呂に入ってリラックスしたくなりますね」と、お風呂につかっているポーズの写真を投稿した。

 平日は市役所で掲示しているほか、土日や出先からでも毎日午後3~5時に投稿している。凝り過ぎて数字の意味が伝わらない日もあったようだが、おおむね好評という。

 美濃さんは「むつ市の夜景に関心を持ってもらえたら、夜の経済の振興にもつながる。おもしろがって見てくれたらうれしい」と話している。

 さて、今晩の夜景の確率は?(高田誠)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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