続く「宝」の密猟、水際対策に期待 規制対象外の大量採取に不安も

 「ついに全部、盗まれてしまった……」

 鹿児島県奄美大島の森で6月末、奄美自然環境研究会の常田守会長(69)が指さした木に、植物を削り取ったとみられる跡があった。種の保存法で「国内希少野生動植物種」に指定されるランの仲間コゴメキノエランがあった場所。ここ数年で別の株も消え、周辺で最後の1株だったという。

 奄美・沖縄は世界的に珍しい動植物の「宝庫」ゆえに世界自然遺産となったが、その宝が狙われ続けている。

 2019年、「日本一美しいカエル」と呼ばれ、捕獲が禁止されている奄美大島の固有種アマミイシカワガエルなどを捕獲した男2人が同法違反などの疑いで逮捕された。

 18年には香港の税関で、沖縄県だけに生息する希少種で、ワシントン条約で取引が規制されるリュウキュウヤマガメ60匹が見つかった。希少植物はほぼ毎年、被害の痕跡が確認されている。

 各島で自然保護関係者がパトロールし、監視カメラの設置などを行うが、広い森では限界もあり、最後のとりでともいえる「水際」での監視に期待がかかる。

 「捕獲禁止のアマミシカクワ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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