緊急事態拡大、現場に手詰まり感 小出しで効果に疑問も

 新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言は27日、北海道、宮城など8道県が新たに対象に加わり、適用地域は計21都道府県に広がった。宣言の効き目の薄れが指摘される中、追加地域では対策の手詰まり感がにじむ。毎週のように小出しに地域が追加される現状には識者からは疑問の声も出ている。

 北海道では7月下旬から急速に感染者が増え、18日に約2カ月半ぶりに1日あたりの新規感染者数が500人を超え、現在も400~500人台で推移する。感染者の半数以上を占める札幌市では実質的な病床使用率は6割を超える。

「お盆の前に宣言出してほしかった」

 政府は今月2日から北海道にまん延防止等重点措置を適用し、道は札幌市などを対象区域としたが、その後も道内の感染は拡大。ただ、道が政府に宣言を正式に要請したのは19日だった。札幌市の秋元克広市長は25日、「本来ならお盆など人の動きが出る前に宣言を出してもらいたかった」と苦言を呈した。

 宣言下では、北海道全域で飲食店の時短などが求められるが、重点措置の対象だった札幌市などではすでに酒類提供の終日停止を実施しており、宣言後も対策はほぼ変わらない。独自策は、商業施設の土日セールの自粛や高校での午後4時までの下校徹底などにとどまる。鈴木直道知事は「今のわが国では、政府が対策を決定している。この中で実効性を上げて、とにかく感染を抑制させなければならない」と語った。

 8月に入って感染者が急増した宮城県。1日あたりの新規感染者は25日に301人まで増え、仙台市周辺の医療圏では一時、当日受け入れ可能な病床の99・5%が埋まった。村井嘉浩知事は26日の会見で「一部の救急搬送や手術に支障が出始めている。救急患者を受け入れられないという首都圏で起きていることが、すぐ目の前まで来ている」と危機感を強調した。

 仙台市青葉区のカラオケ居酒…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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